2024.09

「新たな顔」

 今年の夏は一段と暑かったですね。夏休みの間、子ども達はどのように過ごしたのか、話を聞くのが楽しみです。
 夏休み前には年長組にとって一大イベントである“一泊保育”がありました。親御さんにとって、子どもたちが園にお泊りすることはこの行事が初めてなので、とてもご心配だったと思います。しかし子どもたちには、6月頃からお泊り保育の話や準備をしてきたので、不安というより楽しみとワクワクのほうが大きかったようです。当日は園外へ行ったり、園内で夏祭り・水遊び・花火・宝探しゲームをしたりして、楽しく遊びました。
 準備の1つに、グループ作りがあります。子どもたちにグループの数と人数編成だけを伝えたところ、自分たちで話し合いを始めました。「○○ちゃん、一緒のグループになろう!」「今、3人だからあと4人入れるよ!」友達同士で手を取り合って、声をかけ合ってグループ作りをしました。一人として、仲間に入れてもらえずに寂しい思いをしている子はいませんでした。さすが年長組さんですね‼
 次にグループ名を決めようという話し合いでは、自分の思いついたグループ名を口々に言いはじめ、なかなか決まりません。あるグループでは、男の子が「○○が良い」、女の子は「△△が良い」と意見を出し合い伝えていくだけでした。するとAちゃんが「手を挙げて多いほうにしない?」と言いました。そうするとB君が「それだったら、女の子の方が多いけん、そっちが勝ってしまうじゃん。」「そうか…。どうしたら、決まるかね?」するとCちゃんが「じゃあ、○○と△△の名前をくっつけてみん?そしたら、新しい名前でかっこよく変身するよ!」と。それを聞いた他の子が「なにそれ(笑)!変かもしれないけど、いいじゃんね!」ということでみんなの意見がまとまりました。私は、その新しい名前を聞いて笑ってしまいそうになりましたが、子どもらしい面白いアイデアで、その子なりにこの状況をどうにか解決しないといけないと考え、思いついた答えだったのかもしれません。簡単に「話し合いで決めよう」と言いますが、年齢によってその内容は変化してきます。子ども同士で思っていても言葉にできない、言いたくても発言できない、言いたくてしょうがない、人の発言を聞いているだけで十分、など様々な子どもがいます。経験を踏む中で、失敗をして涙を流したり、喧嘩をして気まずくなったりと、いろいろなことを学んでいます。子ども同士の小さい社会で、経験しながら学んでいってくれることが一番だと感じました。
 三年間、年長組の子どもたちと一緒に過ごしてきましたが、一つ一つの行事を経験して新しい顔や姿を見ることが出来て、身体だけでなく心も成長しているなと感動しました。
 

( Y . F )
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