『わ』
新緑の美しい季節になりました。新しい出会いにわくわくドキドキしていた四月から、 もう一か月が経とうとしています。子供達と過ごしている時間は、日々楽しくあっという間に過ぎていきます。
子供達は、初めて見る世界に驚きや不安、興味や関心など様々な心の変化を感じ、 不安そうな幼い顔から少したくましく、何か安心したような顔つきに変わってきたように思います。
年少組の今年のテーマは「わ」です。この言葉の中に、5つの思いを込めています。 まず1つ目は、「輪」です。生まれてまだ3年しかたっていない子供達が親から離れて、 初めて経験する小さな社会で、人と出会い、一緒に遊ぶ友人を作り、1人から2人、 3人と「輪」を広げてくれたらと思います。2つ目は、友達や先生に楽しかったことや 面白かったことを話して、たくさん会「話」をしてくれたらと思います。 3つ目は、友達と喧嘩をしてしまうことや涙が出てしまう場面があります。 それをそのままにするのではなく相手を理解し、おだやかに、そして平「和」に、 解決していってほしいと思います。4つ目として「我」です。子供達は一人一人違います。 金子みすゞさんの作品にも書かれているように、『みんなちがってみんないい』。 子供達の個性を尊重し、子供達自身も自分の事を大切にしていってほしいと思います。 最後の「わ」は、生活の中で様々なことに電波を張りめぐらし、“わっ”と驚くものを 子供達自身で発見していけるようになってほしいと思っています。
これから一年間、たくさんの「わ」を見つけ、増やしていく出来事があることでしょう。 そのたびに、子供達は成長していきます。私たち保育者も子供達一人一人の個性を大切にし、 主体性を尊重できるように関わっていきたいと思います。